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Vol.29 システム製造業から価値創造業へ 価値共創を目指すソリューションセンター

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#03 バイモーダルITの実現を支えるSoRの実績 高度なプロジェクト管理による大規模システムの構築事例 東芝デジタルソリューションズ株式会社 植田 祐彰

デジタルトランスフォーメーション(DX*)の実現に向けて、SoE*への取り組みに注目が集まっています。しかし、産業領域においては基幹システム(SoR*)との連携が必要であり、多様なビジネスやサービス、膨大なデータとの連携を正確で確実に支えることが求められ、そこではSoRのノウハウも重要です。東芝デジタルソリューションズでは、産業領域においてこれまでに培った豊富な技術とノウハウを、DX時代に向けて一層磨き続けています。ここでは大規模な基幹システムの構築事例を通じて、変化の時代だからこそさらにその価値が輝く、当社のSIにおけるプロジェクト管理の実績と独自のノウハウについてご紹介します。

*DX:Digital transformation,SoE:System of Engagement,SoR:System of Record

いま再確認される、プロジェクト管理の重要性

SoRと呼ばれ、コストの削減や業務の効率化を追求するシステムに対して、データから得た気づきと知見から、新たな価値を創造してビジネスの変革を目指そうというSoEの動きが加速しています。新しい技術やビジネスモデルが次々と誕生し、イノベーションがさまざまな領域で広がっている中、SoEに対応した人材やプロジェクト管理が、急速に求められています。

しかし、SoRが今後も世の中にとって非常に重要であることは変わりません。安心と安全、信頼性を追求し、さまざまな産業や社会の活動を支える基幹システムを提供することはこれからも当社の重要なミッションであり、DXの時代においても、SoRで実績を重ねてきたプロジェクト管理の重要性が大いに高まっていくはずです。

IoT*やAI*を活用した新しいシステムにより次々と生まれてくるデータを、企業の基幹システムのような既存のシステムが蓄積しているデータとうまく連携させる「バイモーダルIT」を実現するためには、SoRの知識やノウハウが必須となるからです。

*IoT:Internet of Things(モノのインターネット),AI:Artificial Intelligence(人工知能)

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ソリューションセンターのプロジェクト管理力

東芝デジタルソリューションズのソフトウェア開発拠点であるソリューションセンターは、多種多様な業種のお客さまに向けてさまざまなシステムの構築を行い、難度の高いプロジェクトを完遂するノウハウを磨いてきました。大規模なお客さまITシステムの構築において、他社が苦慮し、完遂することが困難となったプロジェクトを成功に導いた数多くの実績もあります。私たちソリューションセンターのプロジェクト完遂能力は、多くのお客さまから信頼いただいている、当社にとって貴重な財産です。

プロジェクト管理において、ソリーションセンターが特に重要視している2つのポイントがあります。まずプロジェクト計画を立案する際は、プロジェクトの特性を的確に把握した上で、成否に関わる不確実な部分をあますところなく洗い出し、それらのリスク対策をタスク化して計画に反映することです。どんなプロジェクトにもリスクは潜んでおり、リスク管理の徹底はシステムの規模が大きくなればなるほど、品質はもとより、プロジェクトの生産性を高めることにもつながります。

またプロジェクトを実行する局面においては、メンバーを常に最適に配置すること、その上で小さなPDCA*サイクルを回し続けることを徹底し、生産性と品質の継続的な両立を図っています。

*PDCA:Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善)

これら2つの観点に十分に配慮しながら業務にあたり、困難なプロジェクトを成功に導いた代表的な事例をご紹介します

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事例1. 消費財メーカーのマスターデータ管理システム再構築

東芝デジタルソリューションズ株式会社 植田 祐彰

開発期間は3年程度で、ピーク時には50人規模の体制で臨んだこのプロジェクトは、現行システムを構築した他社が途中まで担当していた基本設計の引き継ぎから始まりました。仕様策定の遅れや計画内容の変更が生じ、新システムへの移行までに与えられた期間や、構築にかけられる費用には既に限りがありました。

また、現行のシステムには外部のシステムと連携するインターフェースが非常に多いという特性があり、さらには引き継がれた基本設計の内容はユーザーの視点での見直しを行う必要があることも判明しました。予算も納期も限られている中、お客さまが日常の業務を安定して遂行しながら速やかにシステムを切り替えていくために、さまざまな課題の発生や品質へのリスクを十分に考慮したプロジェクト管理を行わなければなりません。

そこで当社は、現行のシステムと新しいシステムとを並行して稼働させる移行期間を6ヶ月間確保した上で、現行のインターフェースとの同一性を保証する外部のシステムとの連携機能から順次切り替えていく計画を立案。加えて現行システムの保守ベンダーとタスクの分担や責任範囲の明確化を行いリスクや変更状況の管理を徹底することで、問題発生時の影響を最小化するとともに、計画通りの完成を目指しました。

こうしてお客さまの研究開発から商品企画・品質管理・製造・販売・物流までの全ての業務およびシステムに関わる5万品目を超える商品マスターデータをスムーズに管理できる高品質なシステムが、当初の予定から遅れることなく完成。お客さまから見ても非常に難度の高いプロジェクトを計画通りに完遂させることができ、お客さま企業内での年間最優秀プロジェクトとして高い評価をいただきました。

事例2. 出版会社向け販売物流システムマイグレーションプロジェクト

VB5からVB.NETへのマイグレーションを行ったこのプロジェクトは、元々、当社が2000年に構築した基幹システムを、お客さまの情報システム関連子会社が再構築を試みたものの、完成が困難となった経緯があるものでした。現行のシステムは大量の画面機能を持ち、そのマイグレーションは大規模なものです。また、サブシステム間の連携や、現行システムの改造と機能強化、さらには他社による一部のサブシステムの再構築など、リリースするタイミングが異なる複数の開発案件が同時に進行していたことが、このマイグレーションプロジェクトの難度を飛躍的に高めていました。

当社では、まず現行システムの調査方法やマイグレーション方式などを定義した「マイグレーション計画書」を作成。部分的に先行マイグレーションを試行して生産性を評価することで、プロジェクトの計画段階においてその実現の可能性を検証しつつ、システムの特性の理解に努めました。さらに、開発におけるリファレンスやガイドといった「開発標準書」を整備してプロジェクトメンバーに展開し、マイグレーション作業の効率化や品質の向上を目指しました。

先行マイグレーション後に着手した本マイグレーションにおいては、プログラミング工程から単体テスト、結合テストまでを個別機能ごとに並行して実施。それぞれのテストで出た不具合の対策をノウハウとして開発標準書に盛り込み、開発メンバー間で共有し、プログラミング工程に随時フィードバックした結果、単体テストと結合テストにおける不具合の発生を抑制し、20%以上の生産性向上を実現しました(図1)。

図1 マイグレーションプロセスの最適化

また、現地でのシステムテストにおいては、サブシステムごとに構築担当チームとテスト担当チームを変えることで、品質に関する問題を早期に発見してサブシステム間の品質のバラツキを効率的に是正することに成功。さらに性能の改善においては、システムを利用されるお客さまの視点で品質とコストとの最適なバランスを見極め、対策の要否も含めた優先度付けを行いました。これら一つひとつ着実な歩みでプロジェクトを遂行し、非常に難度が高いと思われていた大規模なマイグレーションを、納期遅延することなく無事にやり遂げることができました。生産性と品質を高度に両立させてプロジェクトを完遂に導いた当社の技術力とプロジェクト推進能力はお客さまに高く評価され、現在のお客さまとの強固なパートナーシップの礎となっています。

ここで培った経験やノウハウは当社社内の開発標準に反映し共有され、数々のマイグレーション案件で活用が行われています。

難度の高い大規模な基幹システムの構築において、さまざまな経験を重ねてきたソリューションセンター。その確固とした力は、システム構築の考え方や方法論が大きく変化していく現代においても、プロジェクトを成功に導く基盤となるものだと考えています。私たちはこれからも研鑽(けんさん)を重ね、基幹システムの構築で培った技術やノウハウを、生産性の向上や効率化だけではなく、お客さまのビジネス価値を高めることにも役立つように、日々磨き続けていきます。

※この記事に掲載の、社名、部署名、役職名などは、2019年5月現在のものです。

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