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[第29回]「何のためか」を常に問え/「人材を見える化したい」その目的は?

2019.11.20

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~企業内大学の創設へ向けて④~

 合唱コンクールで優秀な成績を収めた小学校の合唱コンサートに参加する機会に恵まれた。子供たちがステージに登場すると、場内の空気が一変した。

 どうしてだろうと思っていたが、後日、このような話を伺った。「子供たちは何のために歌っていると思いますか? 賞をとりたいとの思いではなく貴重な時間を使って自分たちの歌を聴きに来てくれた皆さんを楽しませたい。との思いで歌っているのです」と。

 同じことをやるにも「何のために」が大事だということを改めて教えてもらった。目には見えないその志が、相手の心に共鳴し、最高の音楽を響かせてくれる。今回は「何のため」を考えてみたいと思います。

「当たり前」を見直す

 今、学校教育でも「当たり前」を見直そうとの動きがある。これまで「当たり前」でやってきたことは本当に必要なのだろうか? 運動会、文化祭、定期テスト、制服、クラス担任制・・・・。

 『今、日本の学校で行われている教育活動の多くは、学校が担うべき、「本来の目的」を見失っているように感じます。』
 『「目的と手段を取り違えない」「上位目標を忘れない」「自律のための教育を大切にする」こうしたいくつかの基本的な考え方を大切にして、多くの学校で「当たり前」とされてきたことについて、見直しを続けてきました。それは、ある意味、私にとっても、自分自身の教師としての習慣や考え方をそぎ取る作業でもありました。』
 『学校は子どもたちが、「社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにあると私は考えます。そのためには、子どもたちには「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する資質」すなわち「自律」する力を身に付けさせていく必要があります。』(麹町中学校長 工藤勇一著「学校の「当たり前」をやめた。」)

 目的と手段がすり替わってしまっていないだろうか? 本来の目的は? その目的で本当に良いのか? 目的を見直すことにより、皆が当事者意識をもって、皆で合議し、当たり前を見直すことができる、というわけだ。

 ここで、小生も人間力講座の目的と手段を振り返ってみたい。人間力講座の目的は、ソリューションビジネスに携わる全社員が人間力の大切さを感じ、自ら気づき、そして自ら人間力を磨き始めることにある。

 誰も置き去りにしないため、社長から新入社員までを参加対象にしてきた。しかしながら、参加者は社員の約1割あまり。“自ら”を大事にするため、手上げ方式の申込みとし、定時以降の勤務外の扱いで開催した。また、地方でも参加できるよう同時中継にも力をいれた。

 講師の人選も悩みの連続。人間力の大切さを感じてもらうためには、講師の人間力が問われる。講師には必ず事前に面談し、人間力講座の目的やその思いを共有させていただいた。毎回の講師との面談は、私自身にとっても、これ以上ない刺激的な場であり、真剣勝負の場となった。

 一番難しいのは、人間力を自ら磨き始めること。ここで、よく間違えられるのが、良い事例を聞いた、ノウハウをいただいた、自分もやってみたけれども上手く行かない、のパターンだ。手段から入ってもうまくいかない。

「人材を見える化したい」その目的は?

 話は変わるが、人材を見える化したい等のご要望をいただき、弊社の人材育成ソリューションの一つであるキャリアマップ機能をご紹介する時、お客様に最初にお尋ねしていることは、その導入目的である。

 何のためにシステムを導入したいのか? そのシステムを使うのは誰なのか? 使って何をするのか? データは誰が入れるのか? データを入れた人へ何をフィードバックするのか? など。

 キャリアマップ機能は、人材の現状と目標人材像を見える化し、そのギャップを埋めることにより、人材育成を進めるツールである。システム提案にあたっては、お客様の目的を常に伺いながらの提案を心掛けたい。