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お客さまインタビュー

人材教育管理における働き方改革
グローバルな環境で約2万人の社内外の研修管理を実現する「Generalist®/LM」

カンパニー:ヤンマー株式会社 × ソリューション:教育管理・e-ラーニング「Generalist®/LM」

 エンジンなどの原動機や農業機械、建機、小型船舶などの提供を通じて「食料生産」と「エネルギー変換」の分野に貢献する各種ソリューションを提供しているヤンマー株式会社。人材育成に力を注ぐ同グループでは、自社研修のみならず、グループ会社や特約店への技術研修などを通じて製品認知や技術拡販につなげている。そのための教育研修管理およびe-ラーニングの基盤として採用しているのが、東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)が提供する「Generalist®/LM」(以下、Generalist)だ。

紙やExcelを使った研修管理が行われており、その運用が属人化していたことで、担当者以外問い合わせに対応できず、業務負荷も増大していた。一方、他の研修管理システムを使っているグループ会社もあり、それぞれ独自の方法が採用されていた。こうした硬直化した仕組みからの刷新が求められていた。

セキュリティに配慮した上で、約2万人を超えるグループ全体で利用できる教育研修管理の基盤をGeneralistで整備。外部の特約店も含めて管理できるようにしたことで管理工数を削減し、問い合わせ対応も可能となった。応募そのものも増やすことにつながり、今では複数のグループ会社が使う基盤となっているだけでなく、e-ラーニングを実施するためのグローバルな仕組みとしてもGeneralistが活用されている。

導入の背景

グローバル人材の育成に注力

 1912年にガス発動機の修理・販売を手掛ける事業を起こし、現在はトラクターなどの農業分野からプレジャーボートや大型船舶エンジン、非常用発電システムなどエネルギー分野にまで幅広い製品を展開しているヤンマー株式会社。“A SUSTAINABLE FUTURE -テクノロジーで、新しい豊かさへ。-”を新たなブランドステートメントとして掲げ、「食料生産」と「エネルギー変換」の分野に貢献する各種ソリューションを提供。北米をはじめ、中南米や欧州、アジアパシフィックなどグローバルにビジネスを展開しており、世界各地に生産・販売拠点を設置したうえで最適地生産・最適地調達を行うなど、世界中の顧客に適したソリューションを提供できる環境を整えている。

 同社において人材開発を担う人事労政部 人材開発グループでは、グローバル人材の育成に注力しており、さまざまな研修を社員向けに提供している。また、グループ会社の1つである株式会社ヤンマービジネスサービス(以下、YBS)では、ヤンマーグループが手掛ける製品に関連した技術研修を中心とした教育研修を手掛けており、グループ会社のみならず、同社の製品を販売する特約店向けにも高度な技術習得が可能な研修プランを提供。技術研修を軸にした社内外でのプログラムを行うことで、研修の面から製品拡販を支援している。

導入の経緯

属人化した管理からの脱却を目指す

西野 光氏

ヤンマー株式会社
人事労政部 人材開発グループ

西野 光氏

 同社では、以前から統一された教育研修管理基盤が整備されておらず、研修を担当するメンバーごとに属人化した方法で運用されていたと人事労政部 人材開発グループ 西野 光氏は当時の課題について説明する。「研修担当者個人が管理する紙やExcelで受講の可否や進捗状況などが管理されており、部内全体で統一した仕組みになっていませんでした」。そのため、研修に関する問い合わせが来ても、担当者が不在の時には迅速に回答できなかったという。そんな状況が長く続いていたこともあり、研修に関する情報が一元管理できる基盤の整備が求められていた。

 一方で、研修担当者の業務負荷も大きなものになっていた。「受講者とのやり取りはメールにて個別に行われており、参加の有無や参加者上長への承認なども電話やメールを駆使してその都度行われていました。参加者名簿の作成なども属人化しており、研修担当者への負荷が膨らんでいたのです」と西野氏。日々の業務に追われて本来必要な研修の企画まで手が回らない状況となり、できる限り業務効率化につながる環境を整備することが急務だったという。

多田 行治氏

株式会社ヤンマービジネスサービス
教育研修部 部長

多田 行治氏

 また、特約店など外部向けの研修を手掛けるYBSでも、新たな基盤への刷新が求められていたと語るのは、株式会社ヤンマービジネスサービス 教育研修部 部長 多田 行治氏だ。「以前から他のシステムを使って研修の申し込みをはじめとした管理業務を行ってきましたが、老朽化に伴って刷新するタイミングを迎えていました。セキュリティ的に脆弱な部分があったことで、業務の効率化やセキュアな環境づくりに寄与する仕組みにしたいと考えたのです」。同部 技術研修グループ 布施 美和氏は「従来はシステム内の情報をAccessに展開して名簿や修了証を作成し、各種帳票はExcelに落として作成するなど、とにかく手間がかかっていました。コスト的にも運用的にも厳しい状況が続いていたのです」と振り返る。

導入のポイント

オンプレミスでのパッケージ運用と豊富な実績を高く評価

中村 信克氏

ヤンマー情報システムサービス株式会社
経営管理システム部
人事システムグループ 専任課長

中村 信克氏

 社内のITを統括する部門から、グループ全体で活用できる基盤になるものを検討して欲しいと打診を受けた西野氏は「その流れの中で、YBSもちょうど基盤刷新を行う予定になっていることを知り、同じ基盤の中で活用できるよう一緒にやっていこうと私の方から打診したのです」と語る。また、情報システム子会社であるヤンマー情報システムサービス株式会社 経営管理システム部 人事システムグループ 専任課長 中村 信克氏は「現在はグループ全体のインフラを統合していくグローバルIT基盤への統合を目指したプロジェクトが進行中です。基盤を整備するにはグループ全体を意識したうえで検討を進めていく必要があります」と大きな流れを説明する。

 新たな基盤づくりにあたり、迅速に環境を変えたいという強い思いを持っていた西野氏だけに、パッケージを念頭に選定を開始した。なかでも重視したのが、セキュリティの視点だった。「従業員の情報を扱うため、自社のデータセンター内で運用できるものが理想でした」とオンプレミスで利用できることを前提に選定を絞っていったという。また、これまで手作業で行ってきた基幹システムと柔軟に連携でき、既存の認証基盤と統合することでシングルサインオン可能な環境を目指すこととなった。その過程で西野氏の目に留まったのが、東芝が提供するGeneralistだった。「私たちの条件に適していることはもちろんですが、提案を求めた企業からGeneralistがいいとお勧めされたのです。実は、その企業が提供しているソリューションがGeneralistをベースに作られていただけでなく、グループ内にある研修会社もGeneralistを基盤として活用していることを知り、その評判と実績を高く評価したのです」と西野氏。

 また、「同じ製造業という面でも、製造業の泥臭さを知っているベンダーは話が早い。私たちのパートナーとして最適だと考えたのです」と中村氏は評価し、東芝であればサポートについても安心できるパートナーになり得ると判断したという。

 こうして、グループ全体の教育研修管理基盤としてGeneralistが採用されることになった。

導入の効果

管理工数を削減し、受講者増にも貢献する基盤へと成長

 現在は、約2万人を超えるグループ会社全体で活用できる教育研修基盤としてGeneralistが活用されており、特約店も含めた外部パートナーの研修も管理できるようになっている。稼働当初は人材開発グループおよびYBSのみが利用していたが、現在は油圧ショベルなど建設機械を扱うヤンマー建機株式会社が独自で行う教育研修の管理に活用しているだけでなく、テクニカルドキュメントの制作やITを使用した教育なども手掛けるヤンマーテクニカルサービス株式会社(以下、YTSK)が行っているe-ラーニングコンテンツの管理、配信の仕組みとしてもGeneralistが活用されている。「これまでGeneralist起因でサービスが停止したことはありません。受講者は増えているものの、当初のスモールスタートで作った基盤でも十分賄えています。コンテンツ増加でディスクそのものは増設しましたが、軽くて安定しています」と中村氏は評価する。

 実際の運用については、研修によってフローが異なっている。例えば人材開発グループでは、基幹システムにある人事マスターと連携して社員情報を取得し、Generalist上に研修登録したうえで募集を実施。研修については、人事部から受講対象者が指定されるものから、社内ポータルに一般公募したうえで誰でも参加できるものまで幅広い。各受講者への案内はGeneralistから各自に通知するだけでなく、個別にメールにて連絡するなど研修に応じて柔軟に行われているが、受講の可否を判断する上長承認はGeneralist上にて行われている。他にも、Generalist内のデータを活用して名簿を作成し、受講後は実績を登録して一連のフローが完結する。

布施 美和氏

株式会社ヤンマービジネスサービス
教育研修部 技術研修グループ

布施 美和氏

 YBSが手掛ける研修では、グループ会社を対象にしたものはポータルから申し込みを行い、外部の特約店が受講するものは各拠点による代行受講申請によってエントリーが行われる。「YBSのホームページ上に年間を通じた研修メニューやスケジュールが掲載されます。特約店の方が受講する場合は、グループ内ポータルにアクセスできる各拠点に連絡し、代行受講申請をすることで受講登録できます。申し込んだ後は、開催前の決まったタイミングで最終案内が自動的に送付されるよう設定しており、受講した後は実績のみをGeneralistに登録しています」と布施氏は説明する。

 Generalistを導入したことで、管理工数は大きく削減できていると西野氏は評価する。「研修全体が一元管理されているため、誰でも問い合わせ対応が可能です。いつまでに何をやるのかが明確になり、前もって動けるようになったのは大きい」。Generalistにて名簿や名札の作成も行われているため、個別作業も不要となっている。また、以前に比べて登録しやすい環境が整備できたことで、応募そのものも増えていると多田氏は手応えを感じている。「登録のしやすさはもちろん、私たちが提供する技術研修を目にする機会が以前よりも増えています。技術を広めるきっかけづくりとしてもGeneralistが役立っているのです」と力説する。他にも、上長承認後に受講者に自動送付される受講確定メールに情報を付加できる点も便利だと布施氏。「確定メールの中に研修センター近くのホテルの情報を掲載することで、ホテルの予約忘れを未然に防ぐことにも一役買っています」と評価する。

 管理工数削減と同時に受講者増も実現できた点において、まさに人事教育管理における働き方改革といえるだろう。

Generalist/LM システム概要構成の説明画像
将来展望

使い勝手を高めながら、グループ全体でのさらなる活用を計画

集合写真

(左から)多田 行治氏、西野 光氏、布施 美和氏、中村 信克氏

 グループ共通で利用できる基盤を整備したことで、個別に実施されている研修をGeneralistの基盤内で管理できるよう、アナウンスしていく計画だ。また、運用して1年余りが経過していることもあり、フローの見直しや画面周りも含めたカスタマイズを実施し、使い勝手をさらに高めていきたいという。
 YTSKが窓口となっているe-ラーニングについても、コンテンツを拡充していきたいと西野氏。「e-ラーニングは、すでに海外現地法人も含めてグローバルで利用できるため、24時間365日アクセスされているのが実態です。動画活用などコンテンツのさらなる拡充を図りながら、24時間動かすことを前提にしたシステム運用も意識していきたいです。Generalistが持つ人事管理の仕組みも踏まえながら、真の意味でのグローバル化に向けた人事システムの在り方について検討を進めていきます」と西野氏は語った。

 東芝の豊富な実績をベースに展開するGeneralist。今後も同社の人材教育を支えていくことだろう。

SOLTION FOCUS

教育管理・e-ラーニング「Generalist®/LM」

 「Generalist®/LM」は多彩な研修方法を柔軟に管理できる人材育成ソリューション。東芝グループ10万人のパフォーマンスを想定して生まれたe-ラーニングシステムで、大規模利用での性能に磨きをかけ、企業教育における“攻めの教育”/“守りの教育”、双方に威力を発揮します。
 受講者数、管理者数にしばられないライセンス、ストレスを感じない受講環境の安定したシステムでのご提供、仮想的な管理体系の構築が可能である点、簡易にe-ラーニング教材の作成ができるオーサリングツール、トータル的な教育受講管理の実施の5つが特長です。

この記事の内容は2018年10月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、組織名、役職などは取材時のものです。

COMPANY PROFILE

会社名
ヤンマー株式会社
創立
1912年3月
代表者
代表取締役社長 山岡 健人
本社所在地
大阪府大阪市北区茶屋町1-32
事業概要
農業機械・農業施設、建設機械、エネルギーシステム、小型エンジン、大型エンジン、マリン、コンポーネントなどの研究・開発、製造、販売
URL
https://www.yanmar.com/jp/ 別ウィンドウで開きます

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