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導入事例 静岡地方税滞納整理機構

静岡県経営管理部財務局税務課
管理徴収班 主幹
  松村昭宏 様(左)

静岡地方税滞納整理機構
総務課 総務課長
  貝瀬隆一 様(中央)

富士市財政部市民税課
市民税第2担当 主幹
  小出雅一 様(右)

【写真】
静岡県経営管理部財務局税務課 管理徴収班 主幹 松村昭宏 様(左)
静岡地方税滞納整理機構 総務課 総務課長 貝瀬隆一 様(中央)
富士市財政部市民税課 市民税第2担当 主幹 小出雅一 様(右)

Category

業務ソリューション

Solution

データエントリーシステム

Product

OCRシステム

約40万件の軽自動車関係税の申告書処理事務を一元化 現場の声を生かしたOCRソリューションで業務効率を向上

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静岡地方税滞納整理機構は、2010年11月に「軽自動車関係税申告書データエントリーシステム」を稼働させた。このシステムは関係機関から送られてくる軽自動車関係税の紙の申告書を効率よくデータ化し、そのデータを静岡県および県内各市町に配布するシステムだ。軽自動車税の事務処理に関しては徴収される税金の額に対してコスト高の傾向にあり、地方税一元化構想の中で静岡県でも業務改革を行い徹底した効率化が求められていた。今回稼働したシステムは、OCRで紙の申告書をデータ化し、各市町は事前に配られる「配布ツール」と呼ばれるソフトでそのデータを読み取り、業務を進める仕組みとなっている。

導入時期
2010年

申告書1件当たりの市町経費が4分の1に低減

before

静岡県では軽自動車税に関するデータ処理のコスト低減を目指していた。そのため、毎年40万件以上の紙ベースで処理されていた軽自動車関連のデータ処理を効率化させる仕組みを開発し、その仕組みを県と全ての市町が利用することが求められていた。

↓↓↓

after

OCRソリューションを活用し、紙の申告書を電子化。そこで整理されたデータを県内の全市町に配布する仕組みを構築した。これにより各市町では申告書をデータ化する事務がなくなった上、申告書をデータ上で確認できることとなり、県と各市町における課税関係の業務効率も飛躍的に向上した。



導入背景

データ処理を効率化させるために
紙データからの入力作業を減らす

自治体の運営において、税金の取り扱いは最も重要な業務の1つといえるだろう。軽自動車税は、主たる定置場所在の市区町村が課税するものだ。同時に県は取得価額が50万円を超える車両に対して自動車取得税を課税する。軽自動車税の対象となるのは、4輪車だけでなく原付自転車、オートバイも含まれる(取得税は4輪のみ)。これらの課税額は普通車などにかかる税金に比べると低額だが、その申告数は静岡県内でも毎年40万件を超える。それだけに軽自動車関連の税の処理にかかるコストを低減させようという取り組みは以前からあった。そして課税全般のコストを低減しようという流れの中から生まれたのが、静岡地方税滞納整理機構(以下、機構)である。「機構は2005年から計画検討され、2008年1月に発足しました。県および35の全市町が機構に参加した特別地方公共団体の発足というのは全国で初めてのことでした」そう話すのは、静岡県経営管理部財務局税務課 管理徴収班 主幹の松村昭宏氏だ。松村氏は軽自動車税関連の事務作業をいかに効率化させるかという課題について、次のように語る。


【写真】静岡県経営管理部 財務局税務課 管理徴収班 主幹 松村昭宏 様
静岡県経営管理部
財務局税務課
管理徴収班 主幹
松村昭宏 様

「私たちは機構が発足する前の2007年ころから、効率的に軽自動車税の事務作業を処理するためのシステムを検討していました。このような場合、税の事務作業の世界ではOCRを活用するケースが多いので、大まかなイメージは持っていました。しかし、実際にどのような仕組みに落とし込むか、具体的な案が見つからない状態でした」

また、2007年度から2009年度まで3年間、富士市から県へ出向していた富士市 財政部市民税課 市民税第2担当 主幹の小出雅一氏は次のように語る。

「従来、軽自動車税に関する申告書は、申告者が記入した複写式の用紙を県内に3カ所ある軽自動車協会で受け付けし、項目のチェックをしていました。その後、複写を各市町が受け取り、そこでデータ入力されていました。つまり、データ入力作業は紙の申告書を基に各市町がそれぞれ行っていたという訳です」

用紙は原本、県側の控えに加え、所有者や定置場の変更などに伴う新旧2種類のコピーが必要だったために4枚つづりとなっていた。「新旧のデータは、それぞれ配布先が違います。持ち主が変更になり定置場も変わると、データをそれぞれ分ける必要があるわけです」(小出氏)また、軽自動車は台数も多く、所有者が入れ替わったり、廃車になったりと動きが激しい。各市町にその旨の情報を伝えなければ、既に所有者ではない市民に誤った通知を出してしまう結果となる。1件のミスでも市民に多大な迷惑をかけると同時に、事務作業も増えることにつながる。その課題の解決に向けて、機構では次のような構想を立てていた。「機構では、協会から申告書を受け取ったら、機構内で記入内容をチェックの上、データ化して各市町に配布するという枠組みを考えていました。これにより各市町で個別に行っていたデータ入力の作業がなくなるわけです」(小出氏)

導入経緯

群を抜いていた東芝のOCR
データ読み取りソフトにもアイデアが

その後、最終的に東芝ソリューションのOCRシステムを利用しシステムを構築することに決まった。決め手は東芝ソリューションのOCRの読み取り精度であった。

この点に関しては、松村氏、小出氏共に「他社と比べて抜群の精度」と太鼓判を押す。同価格の他社製品と比較すると、文字認識能力も読み取りスピードも突出して高かったという。

「良い製品は価格が高いものですが、東芝ソリューションさんがデモしてくれたシステムは価格面でも納得できるものでした」と松村氏は話す。また小出氏は次のように語る。

「東芝ソリューションさんのOCRシステムは、私たちが満足できる識字率のレベルを軽くクリアしていました。ただ、記入漏れやいろいろな書き方をされる申告書があるので、どうしても判別不能の申告書は出てきます。やはり、文字認識率だけを追求するのではなく、判別不能や誤読のデータの修正作業をいかに効率化させるかも大切な点でした。また、機構が送ったデータを各市町で読み取るソフトウェアである『配布ツール』をどれだけ使い勝手の良いものにするか、ということも大きなテーマとなっていました」

今回のシステムの概要は次のようなものだ。まず、協会が1次チェックを済ませ、申告書を機構に送付。次に機構でそれらをOCRで読み取り、オペレーターがチェックをしながらデータ修正を行う。さらに修正箇所を確認、整理を行い、県と市町ごとのデータに切り分ける。そしてこのテキストデータと各申告書の画像データを1対にし、CDに格納。そのデータを県と各市町へ配布する。これを受け取った市町は『配布ツール』を使用してそれらのデータを読み取り、まずテキストデータと関連付けられた申告書の画像データをチェックし、テキストデータをそれぞれの市町にある電算システムに入れて課税データとして完成する。その後、申告書を確認する場合は、従来のように紙をめくる作業や書庫を探す必要がなく、『配布ツール』を利用すれば迅速に検索・閲覧などが行える。

こうして開発が進められ、2010年の11月に「軽自動車関係税申告書データエントリーシステム」として稼働開始した。開発期間は約6カ月という短さだった。


【写真】静岡地方税滞納整理機構 総務課 総務課長 貝瀬隆一 様
静岡地方税滞納整理機構
総務課 総務課長
貝瀬隆一 様

「軽自動車税は毎年4月1日の所有者に課税されます。そのため3月に申告書が一気に増える傾向にあるのです。前年の11月ぐらいに動き始めなければ、機構側も各市町側も繁忙期の本番に間に合わないということになりかねません。ですからどうしてもその時期までには、という要望がありました」そう語るのは、静岡地方税滞納整理機構 総務課 総務課長の貝瀬隆一氏だ。現在、軽自動車関係税申告書データエントリーシステムを使って機構でも実作業を進めている。貝瀬氏によれば、データの読み取りなど問題なく進んでいるという。

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