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プロジェクトのメンバー KeyPerson

2015年3月19日 プロジェクトチームが一丸となって、資生堂さまを全力サポート
お客さまを強力に支援するITOサービス
株式会社資生堂さま(以下、資生堂さま)は、美しさを追求するお客さまに様々な提案を店頭で行うビューティーコンサルタント(以下、BC)業務のサポートに、東芝ソリューションのITOサービスが生かされている。携帯電話からタブレット端末への切り替えを行う過程で、端末のキッティングから店頭配送、修理受付、廃棄に至るライフサイクル管理(以下、LCM)サービスや、SaaS型MDMソリューションの提供。また、BCからの問い合わせに対応するヘルプデスク業務など、店頭支援システムを支えるバックヤード業務を東芝ソリューションがITOサービスとして提供している。
※1 ITO:Information Technology Outsourcing
※2 MDM:Mobile Device Management
※3 LCM:Life Cycle Management

ヘルプデスクの運用実績を提案内容に生かす

株式会社 東芝 新規事業開発部 戦略企画担当 参事 藤原 千悦子製造・産業・社会インフラソリューション事業部
産業ソリューション営業部
参事 長野 明

「一瞬も 一生も 美しく」をコーポレートメッセージに、化粧品事業を中心にグローバルなビジネスを展開している資生堂さま。デパートや総合スーパーなどの店頭でカウンセリングを通じて様々な提案を行う全国1万人ほどのBCの方々は、お客さまにご満足いただけるよう「おもてなしの心」できめ細やかな接客を実践している。資生堂さまでは1989年頃から店頭情報機器や肌測定器など店頭支援システムでBCを支援している。その中の1つに勤怠管理やコミュニケーション基盤となる、携帯電話を用いたBCサポート端末がある。このBCサポート端末の保守契約終了に伴い、タブレット端末を活用したBCサポートシステムを新たに構築することになり、プロジェクトがスタートした。

 東芝ソリューションと資生堂さまとの関わりについて、ヘルプデスク業務に関する営業を担当している製造・産業・社会インフラソリューション事業部の長野は「BC業務をサポートするCSS(カウンターサポートシステム)に関するヘルプデスク業務を1998年から請け負っていたことが、今回のITOサービスの提供に繋がりました」と振り返る。東芝ソリューションは以前、資生堂さまのヘルプデスクの一部を中国の大連に移管、国内での品質を維持したままコストを40%削減するという効果を上げた。
 今回、プロジェクトマネージャーとして参画した同事業部 橋は「当初ご要望があったのは、モバイルデバイスを利用する際に重要なセキュリティの要となるMDM、短期間で実施する1万台を超えるiPadへのキッティング、そして稼働後の運用全般に関わるLCMの仕組みの提供でした」。これらを総合的に判断した上で、可能な限りコストを抑えた形で提供できるかどうかが重要なポイントだった。
 そこで前述の内容に新たな提案として盛り込んだのが、資生堂さまと一緒に取り組んできたCSSに関するヘルプデスクの仕組みだった。「すでにインフラとして構築されているヘルプデスクを今回も応用することで、店舗業務のノウハウを持ったオペレータのリソースを活用し全体的なコストダウンに繋げたことが特長です。キッティング部隊は東芝グループの1つである東芝ITサービスが豊富な実績を持っていますし、MDMサービスは東芝グループが活用している経験値があります。ヘルプデスクも含めた形で提案することで、BC支援のための体制作りが実現すると考えたのです」(長野)。
 その結果、タブレット端末のキッティングから配布、修理受付など一連のLCMサービス及びMDMツールによるセキュリティ対策、そしてヘルプデスク運用を含め、東芝ソリューションが提供することになったのである。

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新たな環境作りにチーム一丸となって取り組む

製造・産業・社会インフラソリューション事業部 産業ソリューション技術部 産業ソリューション技術担当 主任 近藤 桂子製造・産業・社会インフラソリューション事業部
産業ソリューション技術部
産業ソリューション技術担当
主任 近藤 桂子

 「受注できたことは素直にうれしかったのですが、これだけの規模のタブレットを業務端末として運用するという現実を前に、さすがに気持ちが引き締まりました。納期が短く、課題もありましたが、とにかく資生堂さまにご満足いただけるような体制を作ろうと決意を新たにしました」と長野は振り返る。特に工夫したのは、ヘルプデスクの体制作りだったという。「WindowsOSを使ったCSSとは違い、iPadを業務用として活用するためiOSの操作性の違いや、専用の業務アプリケーションも一次切り分けができるように電話オペレータの短期間習得に注力しました」。

 問い合わせを受けるヘルプデスクを含め、タブレット端末のライフサイクル全体の運用フローの設計を手掛けたのが同事業部の近藤だが、今回の件では学ぶことが多かったと振り返る。「実際に利用するBCは所属している会社が異なっていることもあり、社内の手続きが個別に必要になることもありました。例えば端末が紛失したときに、どの会社のどのご担当者にどのように報告する必要があるのかなど、運用・管理フローをしっかり整理していく必要がありました。また、タブレット端末を紛失すると電話機能自体もなくなってしまうので、代替え機の電話番号が新たに追加されたり、もともとタブレット端末を調達している通信事業者との調整が必要だったりなど、管理上のフローも相当複雑なものでした。タブレット端末紛失時のSIMカードの管理をはじめ、様々なフローを漏れなく決めていく必要があったのです」(近藤)。

 そこで、PCのキッティングを含めたLCMの経験を持つグループ会社である東芝ITサービスにプロジェクト参画を打診し、現場に負担のかからない運用フローの設計を一緒に設計していった。また、近藤自身も社内の他プロジェクトからノウハウを収集し、資生堂さまのご要望を実現できるような提案書を短期間で作成したのである。「配布の時期もキッティングのスケジュールも明確に決まっており、とにかくやり切ってみせる!という思いが強かった」と近藤は振り返る。

 プロジェクトマネージャーの橋に求められたのは、わずか2.5ヵ月の間に1万台を超えるタブレット端末を円滑にキッティングすることだった。「タブレット端末の運用は東芝ITサービスに実績がありました。その経験を生かし、400程度のキッティング項目を設定、短納期でお客さまの要望にお応えすることができると考えたのです」と橋は語る。実際に量産のキッティング時には1日300?400台ペースで作業を進めていったという。

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稼働後に訪れた試練に真摯に取り組むことで得た評価

製造・産業・社会インフラソリューション事業部 産業ソリューション技術部 産業ソリューション技術担当 主任 橋 広志製造・産業・社会インフラソリューション事業部
産業ソリューション技術部
産業ソリューション技術担当
主任 橋 広志

 稼働前に発生した様々な困難を乗り越えて、いよいよ本稼働を迎えることになったが、本稼働当日にはまた新たな難題に立ち向かうこととなった。「実は本稼働の初日からヘルプデスクへ問い合わせが殺到するという状況に陥ったのです」と橋は当時の状況を振り返る。計画当初は、さほど問い合わせも起きないという想定でヘルプデスクの体制を構築しており、初月1500件、以降月間で500件程度のコール数と想定していた。しかし、導入当初、予定通りにタブレット端末を現場に配布した後、パスワード忘れへの対応やアプリケーション配布などについて、初日から多くの問い合わせが殺到したのである。

 そこで体制を立て直すべく、急遽、臨時のヘルプデスクを立ち上げることにした。まずはグループ会社の東芝ITサービスの社員数名と、中国の大連にあるCSSヘルプデスクのスタッフを増員。「コール数が膨大だったため、さらに東芝ソリューションでも人数を増やしたり、資生堂さまでもビルの会議室に臨時のヘルプデスクを立ち上げて社員のみなさまにもご対応いただいたりするなど、プロジェクト関係者が一丸となって現場の問い合わせに対応できる体制を整備しました」。結果として、事態は終息し、何とか通常の運用に戻ることができるようになったと橋は振り返った。

 端末のアプリケーションのダウンロードについても課題があった。数千人が同時にダウンロードすることによるサーバー負荷の増大をはじめ、配信するアプリケーションサイズやネットワークの受信状態など様々な要因が複雑に絡み合っていた。その原因特定のために、検証機を並べ、様々な環境でデータキャプチャーを行いながらその条件を検証。「ある場面では、パートナーであるMDMを開発した米国のエンジニアと直接テレビ会議を行いながら、原因究明のための議論を行ったこともあります。1日でも早く万全の態勢にするために、関係者が同じ気持ちになり、ヘルプデスク対応と原因究明のための検証作業を同時に行いました」(橋)。実際にピーク時には、毎日資生堂さまに伺って状況を報告し、1日の受付率などを常に共有しながら解決策を見つけ、CDN(Contents Delivery Network)サービスを活用してアプリのダウンロード時にサーバーにかかる負荷を軽減させた。「BCは資生堂さまの商品をお客さまに届けている重要なメンバーです。BCへの業務支援が、資生堂さまが目指す“おもてなし”にも繋がってきます。そういった視点で業務品質の向上に取り組んでいらっしゃる資生堂さまと同じ想いを胸にサービスを提供していくこと。これが私たちの使命ですね。」(近藤)。

 稼働後も様々な事態に見舞われたものの「メンバーが一丸となって対応できたことでお客さまの業務を止めることなく対応できたことを資生堂さまに評価いただけたときは、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。ヘルプデスクの対応についても月1回のサンプル調査を行っています。お客さまから“良い対応をしてもらった”とコメントいただくと、私たちの活動の成果を実感することができ、気持ちも新たになります」(長野)。

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活用の幅を広げながら、ノウハウを様々な提案に活かす

 長野は「店頭でカウンセリングしてお客さまに提案するという、資生堂さまの根幹にあたるBCの皆さんへの業務のご支援をさせていただいていますので、業務負荷を削減し、もっと便利に活用していただけるような環境作りにまい進したい」と考えている。
 「タブレット端末を業務で使う際の大規模キッティングからLCMサービスなどの経験ができたことで、新たなお客さまへの提案活動も積極的に行っていきたい。今回のケーススターディをしっかり整理し、今後の提案活動に活かせるような形でノウハウを共有化していくことが大事だと考えています」と長野は語る。近藤も同様に、今回の経験を生かして、資生堂さまと同じような課題をお持ちの他の企業の情報システム部門さまに利用して頂けるようにソリューションを強化していきたい、とその意気込みを熱く語る。橋も「私たちがこれだけの規模の端末を運用出来るようになったことは大きい。これをテンプレート化し、様々な提案に生かしていきたい」と語った。

 おもてなしを体現するBCが業務に使うビューティー・タブレットを、LCMやヘルプデスクで支えている東芝ソリューション。今後も業務改善に貢献できるITOサービスを提供し、お客さまの経営戦略実現のため、不断の努力を続けていく。


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  • *この記事内容は2014年11月6日に取材した内容を元に構成しています。
    記事内における数値、組織・役職名などは取材時のものです。
  • *本記事に掲載の社名および商品名はそれぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。

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