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大阪城Project

2015年1月9日 全国から自治体ソリューションのプロが集結した
フラッグシップProject
西日本最大の地方自治体である大阪府では、東芝ソリューションが納入した電子調達システムが動いている。このシステムの稼働の裏には、官公ソリューション事業部を中心とした各支社官公庁システム担当の精鋭たちが一丸となって、このフラッグシップとなるプロジェクトを成功に導いたドラマがあった。

フラッグシップとなる案件に取り組む

  官公ソリューション事業部は、その名の通り、中央省庁のシステムや、全国の自治体に向けて防災ソリューションや電子調達システム、行政文書管 理、介護、公共工事費積算などのシステムを展開、積極的な提案活動を行っている。
 2011年9月、関西支社は大阪府電子調達システム更新検討の情報をキャッチ、大阪府にアプローチを開始した。大阪府の電子調達システムは「電子入札」「電子申請」「業者情報」「調達業務支援」からなる総合的かつ大規模なシステムであった。東芝ソリューションでは、契約管理までも含めた総合的な電子調達システムの納入実績が九州支社にあった。そこで、関西支社から九州支社に協力を打診、快諾を得て提案活動に取り組んでいったのである。

東芝ソリューション株式会社 関西支社 関西ソリューション営業部 関西ソリューション営業第一担当 主任 高橋 達也 東芝ソリューション株式会社
関西支社
関西ソリューション営業部
関西ソリューション営業第一担当
主任
高橋 達也

 「実績とノウハウを持つ九州支社の支援は心強いものでした。大阪府様にヒアリングを重ね、目を留めていただけるようアプローチしていったのです。また当時、自治体向けのパッケージを戦略的ソリューションとして展開していこうという機運が関西支社に高まっていました。ぜひ、この私たちのソリューションをご利用いただき、フラッグシップとなるような案件にしたいという気持ちでした」と関西支社営業担当の高橋はその時の意気込みを振り返る。
 大阪府電子調達システムは、大阪府職員のみならず、入札に参加する約1万8000社の事業者も利用する大規模な仕組み。何かあれば社会的影響が大きいものになる。さらに、今回の電子調達システム更新は「電子申請システム」「業者情報システム」「調達業務支援システム」「電子入札システム」 という四つのサブシステムを一気に刷新、かつ既設との並行稼働を行わない「ビッグバン」方式という、システムとしても技術レベルの高い案件だった。
  そこで、ノウハウを持っている九州支社の協力を得て、他の自治体の活用事例を紹介したり、デモ画面を見せながら実際の運用イメージを紹介したりするなど、さまざまな形でコミュニケーションを続けた高橋。「実際にデモを見ていただくと、具体的なご意見やご要望を伺うことができます。また、質問があればその場で具体的に返答することで、お客さまが要求している内容を把握できますし、少しでもお客さまに安心感を持っていただきたいと思いました」と高橋。技術者とチームになり、お客さまとのコミュニケーションを密にすることの重要性を実感していたのである。

 

■大阪電子調達システムの概要

大阪電子調達システムの概要図

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説得力ある提案書作成と徹底的な議論

東芝ソリューション株式会社 関西支社 関西ソリューション技術部 関西ソリューション技術第一担当 主査 西原 健二 東芝ソリューション株式会社
関西支社
関西ソリューション技術部
関西ソリューション技術第一担当
主査
西原 健二

 今回の案件は、提案書による技術評価点と価格点の総合評価方式で業者選定が行われた。総合評価点1位に向け、入札日までに説得力ある提案書を作成 し、提案内容を裏付ける費用算出を行った。この提案書の取りまとめを一手に引き受けたのが、後のサブプロジェクトリーダーで同時にプラットフォーム構築と運用保守のリーダーを務める関西支社の西原である。「官公庁の提案書では、記載すべきことが公告資料で明確に決まっています。同僚やパートナー企業などから情報を入手しながら、提出まで的確に取りまとめるべく昼夜没頭する日々でした」と当時の様子を西原は語る。各項目に真摯に回答すると同時に、価格に関しても関係者で知恵を出し合った。「技術評価点で有利な既存ベンダーに打ち勝つため、私たちは“総合評価で1位をいただける価格”を提示できるよう、関係者全員が知恵を絞り、徹底的に議論したのです」と高橋。
 西原の「全員がそれぞれの役割をプロとしてきっちり完遂してくれたことが、良い結果につながったのだと思います。自分より若手の優秀なメンバーが活躍してくれたこともうれしいことでした」という言葉が、この案件でメンバーとの信頼感が高まったことを物語っている。

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事業部をあげての一大プロジェクトへ

東芝ソリューション株式会社 官公ソリューション事業部 官公ソリューション技術第三部 参事 稲場 靖宜 東芝ソリューション株式会社
官公ソリューション事業部
官公ソリューション技術第三部
参事
稲場 靖宜

  そして、東芝ソリューションは見事、受注者に決定した。「受注が決まったときは飛びあがって喜びました」と高橋はうれしさをにじませる。それ とは対照的に、今回のプロジェクトマネージャーを務めた官公ソリューション事業部の稲場は、「受注できて素直にうれしかったのですが、システム構築に向けた態勢作りや今後のことを考え、改めて気を引き締めていかなければと強く感じました」。
 早速、稲場は受注の報告を事業部にする過程で、現状の態勢作りなどの課題を提起し、事業部全体として支援してもらうことにした。「通常なら私のいる官公ソリューション技術第三部だけで案件を請け負うのですが、案件が大きいことと高い技術レベルが要求されることで、遅延したときに社会に与える インパクトが大きいと事業部が判断。北海道から九州まで全国の支社から精鋭を集めて態勢を整えてもらえることになり、事業部全体で取り組む一大プロジェクトとなったのです」と稲場。こうして全国に点在するスペシャリストを集めたプロジェクトが発足、大きく動き出した。
 プロジェクトマネジメントで工夫した点について「まずは、プロジェクトにおける規則やルールを策定したことです。以前、福岡県様に電子調達システムを導入したときのプロジェクトマネージャーを今回のプロジェクトにアサインさせていただきました。彼はプロジェクトをうまく進めるためのポイントを熟知していました。ルールをきちんと決めることは、プロジェクトをスムーズに進めるための大きな条件の一つでした」と稲場は語る。

本稼働に向け全力で立ち向かったチーム力

 本稼働に向けて動き出したが、ここであることが起こった。「基本設計が始まった段階で、既存の画面レイアウト、構造、業務フローなどを踏襲して ほしいと大阪府様から打診があったのです。理由は、システム刷新によって起こり得る利用者の混乱を回避したいというものでした」(稲場)。当社では すでにパッケージをベースに設計を進めていた。しかし、メンバーはすぐに何とか意向に沿って納期が守れる態勢作りの検討を開始したという。
 さらに、プロジェクトが始まるキックオフの場面で、当初RFPで示していた工程を2カ月前倒しし、大阪府庁舎内での運用テストを長く実施したい という要望も浮上。納期を遵守するため、どんなチャレンジができるか、いろいろなアイデアを出し合った。「あくまで一例ですが、電子申請システム の開発手法を、従来型のウォーターフォール型からアジャイル型に変更し、短納期で仕上げられるよう工夫したこともありました。大阪府様をはじめ開発パートナーや各支社のメンバーが全面的に協力してくれたおかげで、最終的には納期に間に合わせることができたのです。チーム力が発揮できたおかげです」と稲場は語る。
 ただ、実際に設計を変更したり、スケジュールを早めたりしたことで想定していたよりも不具合の発生率が上がる可能性が予想できた。そこで開発現 場にまで足を運び、Face To Faceで仕様の修正内容を詳細に伝え、齟齬(そご)が発生しないようコミュニケーションを強化するなど品質を高めるためのあらゆる手段を講じたのである。

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全員が拠点を移動しメンバーを専任化

東芝ソリューション株式会社 関西支社 関西ソリューション技術部 関西ソリューション技術第一担当 主務 APスペシャリスト 佐藤 文俊 東芝ソリューション株式会社
関西支社
関西ソリューション技術部
関西ソリューション技術第一担当
主務 APスペシャリスト
佐藤 文俊

 また、短期間で品質を高めて開発を仕上げるための大きな工夫として、プロジェクトメンバー全員を段階に応じて移動させながら開発を進めていく “専任化”を行ったという。開発の主力部隊が九州にあり、お客さまは大阪、そして東京にもメンバーがいるため、拠点が離れていることによるコミュニ ケーションロスを軽減したのだ。「まずは大阪で設計固め、次に全員が東京に集まって仕様を精査、それを九州に持っていって開発を行い、テストで再び大阪に集結。このようにフェーズごとに全員が拠点を移動していきました」。専任化、拠点移動により、本案件に集中できるようになるという点も、短 期間でプロジェクトを遂行できた理由の一つだったと稲場は力説する。
 ただ、プロジェクトメンバーが移動しても、お客さまとのコミュニケーションは欠かさないように意識したという。調達業務支援システムの設計・開発リーダーの佐藤(当時は官公ソリューション事業部 官公ソリューション技術第三部 ソリューション技術第一担当 主務 APスペシャリスト。府中ソリューションセンターに勤務)は「メール中心ではありますが、仕様などの齟齬がないように報告や相談を日常的に行いました。プロジェクトが九州で動いていたときは、当社の関西支社まで大阪府のご担当者様にご来訪いただき、東芝グループのテレビ会議システムを活用してミーティングを行うなど、いろいろ工夫しました」と語る。

 なお、四つのサブシステムのコミュニケーションを円滑にするためにも“コミュニケーションアップ”と称する定例会を開催したという。「横のつ ながりで議論が広がっていくという場は、見えないけれど大切なこと。プロジェクト運営のコツや技術的な情報交換、各メンバーからのちょっとした相談、そしてなにより同じ目的に向かって気持ちを一つにする意識醸成にもつながります。これは本プロジェクトがうまく進むために大いに役立ったと思います」(稲場)。

共に困難を乗り越えたチームへの想い

東芝ソリューション株式会社 ソリューションセンター 官公ソリューション部
官公ソリューション第三担当 松野 文彦 東芝ソリューション株式会社
ソリューションセンター
官公ソリューション部
官公ソリューション第三担当
松野 文彦

 仕様やスケジュールの変更など彼らにとってチャレンジャブルな事も発生したが、結果として納期通りに納品することに成功した今回のプロジェクト。 電子申請システムのサブリーダーの松野は、「態勢と工程を見直すことは容易でしたが、それを実現性のある綿密な計画のもと推進するところは苦労しましたね。開発規模の削減でスケジュール短縮につなげましたが、やはり今回のプロジェクトメンバーの先輩の仕事の進め方は非常に勉強になり、身になるものでした。お客さまが気にされているポイントを的確に捉え、どのように対応すればよいかを学ぶことができました」と語る。通常この規模の案件であれば、安定稼働するまで数カ月を要することもあるというが、お客さまの協力を得て本稼働直後の混乱を乗り越えシステムの安定化を図っていった。また、本稼働後に行われた新システムとして初めての出納閉鎖(企業でいう決算処理)や期初に行われる機構改革もお客さまと一緒に乗り越えた。

 最後に、彼らの言葉を紹介したい。松野は「どんなときも、全員が協力的で前向きに取り組んでいました。数年後またこのメンバーで仕事をしてみた いですね」と語る。佐藤は「工程的に非常に厳しい現実があったことは事実。でも、プロジェクトメンバー全員が課題を共有し、各自が培ってきた 知恵を出し合い、一つひとつ解決していった。自分が苦しいときには、みんなに助けてもらいました。本稼働に向けての最終調整では、大阪府のご担当 者様にも連日夜遅くまで付き合っていただきました。今思うと、プロジェクトメンバーだけでなく、お客さまにも恵まれていました」。
 プロジェクトマネージャーだった稲場は「大阪府様と私たちプロジェクトメンバーがお互いを理解し合い、一つの目標に向かって走ったことが良い成果を生んだと思っています。今回の案件は、私たちのフラッグシップとなる、大変に価値のあるプロジェクトでした。メンバーが、ここで得た学びをそれぞれの部署に持ち帰り、今後に生かしてくれることを願っています」と語る。

 このように東芝ソリューションの自治体のスペシャリストたちは、これからも強いチーム力と熱い思いで、大阪府や日本全国の自治体を支えていくだ ろう。




お客様のインタビュー(導入事例)はこちら

  • *この記事は東芝ソリューションの情報誌「T-SOUL13号」から転載しています。
  • *この記事内容は2014年9月に取材した内容を元に構成しています。
    記事内における数値、組織・役職名などは取材時のものです。
  • *本記事に掲載の社名および商品名はそれぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。

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