東芝デジタルソリューションズ株式会社 本文へジャンプ

ヘルプ 別ウィンドウで開きます

独自性の高いサービスを可能にするM2Mクラウド

今では多くの企業が、モノを売るだけという従来のビジネスから、売った後のサービス提供までを含めたビジネスへと舵を切っています。そこで大きな役割を期待されているのが、モノの動きを逐一知らせるための各種センサーやM2M*1プラットフォームです。東芝ソリューションは、この分野で新たな一歩を踏み出しました。

TMSTATION(ティーエムステーション)は、東芝ソリューションの登録商標です。
*1 M2M:Machine to Machine

今回のお客さまは、世界中のさまざまな工場にプロセス関連商品を提供している製造業のA社です。当社はA社に対して、A社の商品やA社の顧客企業の装置のセンシングを起点に、遠隔監視と保守情報管理を融合した次世代の保守ソリューションを提供します。その対象エリアは世界数十カ国にわたり、A社が商品を展開する工場などの拠点数は国内外を合わせると数千カ所に達します(図1)。
図1 グローバル監視サポートの概念

A社にとっての課題は大きく三つありました。

第1に、A社には自前で開発した遠隔監視用のシステムがありましたが、グローバルでの競争が激化したことにより、ライバル企業との差異化につながる、より強力な情報サービスを提供できる環境が求められていました。

そこで当社が提案したのが、遠隔監視保守ソリューション「TMSTATION」をベースにしたM2Mクラウドソリューションです。TMSTATIONは装置や機器の遠隔監視保守を担うM2Mプラットフォームとして、多くの実績を積み重ねてきました。当社が独自に開発した仕組みのため、お客さまのニーズに応じて柔軟なカスタマイズが可能です。

このページのトップへ

エンジニアリング業務を一括して支援 お客さまはコア業務に集中

第2に、監視サービスを開始するまでの事前作業や、サービス開始後のエンドユーザーからの問い合わせへの対応にかなりの手間と時間がかかっていたことです。例えばデータ収集用の端末を設置する際には、営業部門や情報システム部門、技術部門といった各部門の担当者が現場におもむいて作業をする必要がありました。このエンジニアリング業務は大きな負荷になります。東芝グループ自身もこれまでに同様の課題に向き合い、改善を進めてきました。TMSTATIONは、そんな取り組みの中から生まれたソリューションです。

当社のA社に対する提案は、遠隔監視保守をBPO*2サービスで提供するというもの。エンジニアリング業務や問い合わせへの対応を当社が一括して担うことで、A社はコア業務に集中することができます。

*2 BPO:Business Process Outsourcing

第3に、エンドユーザーにとって見やすく扱いやすい画面です。A社の画面には、これまで見栄えや操作性の観点で課題がありました。そこで当社は、UX*3デザインの手法を用いた、ユーザビリティーの高い顧客ポータル画面を提供しました。

ポータル画面はセンシングの見える化やKPI*4などの情報サービスを担う重要な部分です。そのため、A社の関係者、そしてA社の顧客企業の関係者(工場長や担当者など)、それぞれにとって最適なものでなければなりません。さらに、権限に応じたアクセス制御も必要です。当社の提供するポータル画面はこうした機能を備えた上で、自分の業務に合わせてエンドユーザー自身が表示内容をパーソナライズできるようにしました。

*3 UX:User Experience
*4 KPI:Key Performance Indicator

このページのトップへ

通信事業者との協業でグローバルなカバレッジを実現

TMSTATIONはこれまで国内で経験を積み重ねてきており、本格的な海外展開は今回が初めてです。サービスの高付加価値化でグローバルでの競争力を一層高めようとする先駆的なA社とのパートナーシップにより、当社もまた、遠隔監視保守に磨きをかけていきたいと考えています。

今回、A社にソリューションを提供するに当たり、グローバルなエンタープライズ領域で豊富な経験を持つ通信会社である英ボーダフォン社と協業しました。ボーダフォン社は、各国の通信事情や認証業務にも精通しています。

既設の工場などでは、新たに通信ケーブルの敷設工事をするとコストが高くなるため、有線よりも無線による通信が適しています。また、毎月発生する通信費も課題の一つです。そこでLinuxが組み込まれた無線ルーターをローカル端末として現場に設置し、装置などと接続してデータの収集を行います。ローカル端末はボーダフォンのグローバルSIM*5により広域網接続されます。さらにTMSTATIONの圧縮技術と暗号化技術を組み合わせることで、低コストでデータ通信が可能なグローバルに対応した仕組みを構築しています。

*5 SIM:Subscriber Identity Module

また、このローカル端末にはエージェントと呼ばれる小さなプログラム群が搭載され、自律的に現場の装置などに対してデータ収集・配信やコントロールを行います。このエージェントはクラウドから管理・配信できます。そのため、世界中に散在するローカル端末を効率的に管理し、機能を向上することが可能で、センシング&アクションを実現します。この仕組みには、もともと情報家電などの遠隔監視を目的に開発されたIRM*6の技術が活用されています。

*6 IRM:Intelligent Remote Maintenance

このページのトップへ

数十パターンのテンプレートを活用し現場での接続作業を軽減する

ローカル端末を設置する際、ローカル端末とセンシングする装置などとの接続は簡単ではありません。前述した第2の課題とも関係しますが、従来はA社の技術者などが現地入りして、構成信号や演算式などを設定していました。演算式とは、センシングにより上がってくる生のデータを加工して分かりやすく表示するのに必要なものです。

こうした設定方法は、装置や機器の種類によって異なります。その面倒なエンジニアリング作業の大半は、これまで人手で行われていました。そこで当社はテンプレートの導入による効率化を提案。装置の種類ごとに数十パターンのテンプレートを用意して、営業担当者が該当するテンプレートを選ぶだけで簡単にローカル端末と装置などとを接続できるようにしました。演算式についても同様です。従来は一つひとつの装置について演算用のプログラムを開発していましたが、テンプレートの導入によりこの業務を大幅に効率化できました(図2)。
図2 運用開始までのプロセス改善

また、当社はキッティングサービスも提供します。ローカル端末のセキュリティ設定やアプリケーション設定などの初期設定を代行することで、お客さまの事前作業の負荷を軽減します。

さらに、当社はコールセンター業務も担当し、A社の営業担当者やA社の顧客である工場の関係者などからの問い合わせに対して英語と日本語で対応します(近々、中国語にも対応する予定)。世界中の工場などから収集されたデータは、クラウドを経由して、A社のオペレーションセンターと当社のエンジニアリングセンターに届けられ、相互にエスカレーションを行うなど、連携して運用保守の業務を実施します。

A社の遠隔監視保守ソリューションの守備範囲は、今後さらに広がるでしょう。膨大な監視データや保守データを分析することで、予兆検知や予防保守などの領域でも大きな効果が見込めます。M2Mビッグデータ解析の知見を基に、当社は今後ともプラスαの価値を提案していきたいと考えています。

※本内容は東芝ソリューションの情報誌「T-SOUL13号」の特集から転載しています。
※本記事に関する社名、部署名、役職名などは2014年12月現在のものです。
このページのトップへ
Copyright