本文へジャンプ

※ ご入力いただいたお客様の個人情報は、
暗号化され保護されます。

「2017 特許・情報フェア&コンファレンス」
業務効率化とグローバル化の流れが加速。東芝ブースを中心にレポート!

更新日:2017年12月8日

今年も東京・北の丸公園の科学技術館にて、特許情報および知的財産関連で国内最大の専門見本市「特許・情報フェア&コンファレンス」が開催された。会期3日間(11月8日~10日)を通じて昨年以上に盛況となった今回のフェア。その様子を東芝ブース中心にレポートし、知財の未来を探る。
特許・情報フェア&コンファレンス 東芝ブース
昨年を上回る盛況ぶり。東芝ブースにも常に人が途絶えることはなかった。

知財分野にも求められる「働き方改革」。業務効率化へのニーズが急上昇

26回目となる今年は3日間全日程において昨年を上回る来場者数となり、トータルで19,646人を動員した。

昨年同様に中国や欧州など海外の公的組織や企業からの出展が目立っていたほか、国内企業も翻訳、海外特許調査、商標・意匠・判例検索、外国特許出願支援などに関するソリューションを紹介するブースが多数出展。グローバル化する知財業務の今を印象づけていた。

もうひとつ特徴的だったのが、近年のホットトピックであるAIや機械学習を生かしたソリューションが急増していたこと。特許調査・分析、自動分類など各社から様々なAIサービスが並び、いずれのブースも盛況であった。

AIが注目される理由には、膨大な数字やデータを日々扱う知財関連業務の効率化へのニーズが考えられる。知財戦略がより重要視されてきていること、中国や欧米などの市場との競合が増えたことなどから、知財担当者の扱う業務範囲や業務量自体も年々増加。担当者の負担を軽減し、生産性を高めるための効率化が急務となっているようだ。

ロボットによる業務自動化で、時間短縮やミス削減、コストダウンに貢献

東芝ブースでは、グローバルな知財戦略をクラウドサービスで支援する「特許業務ソリューション」を出展。データの正確性向上やコスト削減とともに、働き方改革にも大きく寄与するソリューションだ。今回の展示では、機能強化など各サービスのアップデートが目に留まった。

数ある出展の中でも、今年の目玉とも言える出展が「知財業務自動化ソリューション」。話題のRPA(Robotic Process Automation)を活用することで、知財業務におけるルーチンワークの効率化を実現する。

RPAとは、パソコン上の複数のアプリケーションやサービスにまたがった定型作業をソフトウェアロボットに覚えさせ、人の代わりに実行させるというもの。主に金融、人材、通信などの業界に導入され注目を集めている分野だが、知財業務への導入はまだほとんど例がない。

同サービスでは、自動化する業務の洗い出し・選定、ロボットの作成支援などを行い、導入後の運用も東芝がフォロー。たとえば、「海外から送られてくるカバーレターをOCRでテキスト化し、システムに登録する」「年金のチェックリストと自社で管理している特許データの照合」といった作業を、ロボットに代行させることで大幅な時間短縮とミス軽減を実現し、コストダウンも望めるのだ。

東芝ブースでは実際に知財関連の定型作業をソフトウェアロボットが行うデモが展示されており、画面に見入る来場者が後を絶たなかった。

ソフトウェアロボット 1 ソフトウェアロボット 2

知財領域のグローバル化はますます活発になっているようで、「The翻訳クラウド」も来場者の注目を集めていた。


The翻訳クラウド

同サービスは特許に特化した解析技術と辞書・用例を搭載しており、日本語と英語、中国語の難解な特許文書を相互に翻訳できる。また、オフィス文書やウェブブラウザに翻訳ボタンをプラグインすることでワンクリックでの翻訳も可能。

さらに今回、新たに過去の膨大なデータベースに基づく「統計翻訳」のエンジンとのハイブリッド型にしたことによって、あたかも人間が手直ししたような自然な翻訳を実現している。

知財担当者、待望のサービスが実現! 海外審査経過情報の自動取り込み

東芝の知財関連ソリューションのコアとなる「知財管理サービス」も大幅なパワーアップを遂げている。最大の目玉は、Legal Statusなどの海外審査経過情報や書誌情報の自動取り込みが実現したこと。

今までも国内の情報を自動取り込み/照合することは可能だったが、今回の機能強化により、多くの知財担当者の念願だった海外の審査経過情報もタイムラグなしに取り込めるようになった。次期フェーズではUSPair、Registerといったデータも取得できるようになる予定で、さらなるアップデートが期待される。

そのほかのポイントとしては、クラウドならではのセキュリティ強化が挙げられる。特に発明届、譲渡証、契約書などの証明書が必要な書類には自動的にタイムスタンプを付与し、過去の存在証明や非改ざん証明といった証拠性の確保ができるようになったのは非常に大きい。

「評価情報収集サービス」では、各企業の持つ既存の管理システムとの連携面が強化された。たとえば、ずっと使ってきた管理システムをほかのシステムに入れ替えたり、カスタマイズして新しい機能を付けるのには大きなコストがかかる。そこで、評価収集、報償金処理など特定の作業だけを東芝のサービスに担当させる「部分最適化」がしやすいようになった。既存管理システムから書誌情報をCSV形式で書き出し、東芝の知財管理サービスに読み込んだ上で要否結果を管理システムに返すといった使い方だ。

そしてこの「既存システムから書き出し、知財管理サービスに読み込む」といった一連の定型作業はRPAで自動化することでより効率化が図れる。既存管理システムと東芝のサービスがひとつのサービスであるかのように連携でき、低コスト、迅速、正確といったRPAの強みがもっとも生きる使い方と言えるだろう。

評価情報収集サービス 1
評価情報収集サービス 2

AIを活用した新しい画像認識サービスの製品化に期待

「文書分類・分析サービス」では、AI技術の活用により特許情報や評価情報を高速で自動分類し、無効資料調査や先行技術調査を効率化できる。たとえば指定した特許内容と類似した特許だけを抽出したり、自分の業務に関連するSDIの結果を分類・可視化して確認時間を短縮することも可能だ。


文書分類・分析サービス

また、出願人辞書サービス「名揺遷」と連携し、出願人の表記ゆれや名称変更の名寄せ、複雑な吸収・合併・分割といった遷移情報を把握できるようになることも来場者の興味を惹いていた。

※「名揺遷」は、株式会社 協和テクノサービスが提供するクラウドサービスです。(※ 2018年1月サービス開始予定)


そして、参考出展ながら注目を集めていたのが「類似図形商標検索サービス」。AI技術を応用し、漫画やデザイン画といった「線画」を対象とした画像識別を行うエンジンで、東芝が大阪府立大学と3年前から共同研究をおこなっているもの。


類似図形商標検索サービス

一般的な検索エンジンの「類似画像検索」との違いは、背景や大きなイラストの中に溶け込んでいる類似図形も抽出できること。商標だけでなくデザインや意匠など、あらゆる画像が対象となる。たとえば企業のロゴやマークを作製する際に類似図形を検索するといった活用が考えられるだろう。知財担当者のみならず、デザイナーや開発担当者にも、ぜひとも試してもらいたいサービスだ。


RPAにせよAIにせよ、今のテクノロジーのトレンドは「業務効率化・生産性向上」にある。また、もうひとつの潮流である「グローバル化」は、知財業務の領域を拡大し、扱うデータ量も増大したことから、限られたリソースでの業務効率化が不可避となりつつある。「翻訳業務」「海外出願業務代行」といった時代の要請を反映したサービスが多数出展されていたのはその現れだろう。

東芝ブースはもちろんだが、会場全体に活気と希望に満ちていたのが印象的だった今回のフェア。新しいテクノロジーやサービスが次々と生まれ、今後の知財関連ビジネスの明るい未来を感じさせるイベントとなった

東芝ブース 知財関連ソリューションの担当者たち

東芝ブース 知財関連ソリューションの担当者たち


お気軽に特許業務ソリューション担当まで

Get Adobe Reader

PDFファイルの閲覧には、
Adobe® Reader® が必要です。別ウィンドウで開きます

別ウィンドウで開きますマークの付いたリンクは、別ウィンドウで開きます。